2024/02/17 18:52

アトリエフッカのコンセプト(「ヌウ・ツクル・ツナグ」)にあるように、開所当初から「ヌウ」=裁縫をメインにしようということは決まっていた。とくにミシンが使えれば仕事の幅は広がる、強みになる。でもいきなりミシンでキレイに縫うのは難しい。練習もしなくちゃね。

でも単なる練習で終わらせるんじゃ、糸や布もモッタイナイ。そこでイシヅカボスが考案したのが、ミシンの練習も兼ねた「ミシン布コラージュ」づくり。とくに初期フッカを支えた大切なしごとが、この布コラージュなのだ。


ありがたいことに、フッカは開所当初からいろいろな方から、たくさんの布をいただいている。個人の方だったり、メーカーさんだったり、立場はいろいろだけど、そんなふうにいただいたものを「ヌッテ・ツナゲテ・ツクル」布コラージュ。ほら、これでフッカのコンセプト通りになった!


まずは小さく切った布のピースを、土台となる布に一枚一枚並べていく。柄や色の組み合わせ方には、やっぱり個性が出るもので。そうして並べたものの上からミシンをかけていくわけだけど、身構える必要ナシ。もちろん、いろんなモノを作る中では、ピシッとまっすぐ縫わなきゃいけないときもあるけれど、布コラージュは自由。布に手を添えて、ペダルさえ踏めればどうにかなる、曲がった線も味になる、表現になる。


だから、縫製が苦手な人でも気楽に製品づくりに参加できるのが、このミシン布コラージュの良いところ。フッカ二人目のメンバーで、今や「フッカの父」とも呼ばれるテッシー画伯も、縫製なんてやったこともなかったけれど、次第に布コラージュの名手となり、彼がてがけたコラージュは「Tスタイル(テッシーのT)」と呼ばれるようにまでなった。


こうして作った布コラージュ生地は、さまざまなアイテムへと生まれ変わる。バッグやポーチを作ったり、ワンポイントとして使用したり。さらにはテッシーのTスタイルコラージュはシブヤフォントのパターン「つぎはぎ」にもなって、そして2022年にはそのパターンが、ユニクロ原宿店でオリジナルTシャツが作れるUTme!の柄としても採用されたりした。


…だったけど、ちょうどその頃、名手のテッシーがまさかの「布コラージュ卒業宣言」…! ふと見わたすと、みんなもミシンがだいぶ上達したし、そのときはコムギコシリーズを本格的にスタートさせようと奮闘していたときでもあった。さらに世間はコロナ。布コラージュの売れ筋であるコースターはイベントで人気が高いアイテムだったけど、まだまだイベントは自粛ぎみ。「それならもう布コラージュはいいか…」。そんなモードになっていく。


しばらく作らない日々が続いたけど、ポツリポツリと実習生や新しいフッカーがやってきて、それならばと、またミシンの練習としての布コラージュをやるように。とくに片手をうまく使えないニューフッカーは、刺繍は難しいけど、布を配置したりミシンを使うことは片手でできるので、布コラージュ作業がピッタリで、スピーディーに作品を生み出していく。それぞれにあったしごとができる、これってとても素晴らしいこと。


さらには、布と布を合わせるのが好きというJJJさんや、ミシンのかけ方に工夫をこらすナオさんなど新しい作り手たちの登場で、また布コラージュづくりが活発になっていった。イベントも復活してきて、海外からのお客様も増えてきて、またまたコースターが飛ぶように売れていく...!


そんなかんじでふたたびフッカの定番として戻ってきた布コラージュ。これまで作りためていた素敵なコラージュ生地もたくさんあるので、それらもひっぱりだしての、新しい商品のアイデアもいろいろ生まれてきている。そう、布コラージュ2.0!